こんにちは。船井総研の坂本麻衣子です。今日は、利益率が高い工務店&リフォーム会社が共通して実践していることにフォーカスを当てたいと思います。売上が上がっても利益率が伴わない会社のほとんどが、適切な粗利が確保できていないという問題に直面しています。したがって、本コラムでは、利益率のなかでも特に、利益の原資となる粗利に着目し、「粗利率5%改善の会社が実践した粗利意識とその実践 」をご紹介しましょう。
リフォーム事業の粗利率、業界平均は何%だと思われますか?工事規模の大小すべて含めて、自社で工事をさせていただいた案件の平均が、25~28%であるといわれています。
船井総研が過去聞いたことがある限りの最低粗利率は、いくらだったでしょうか。以前に船井総研で経営相談をさせていただいたリフォーム会社様で、元請けのリフォーム粗利率が6%しかなく、銀行からの借り入れが雪だるま式に大きくなり、倒産リスクに直面したという会社の話を聞いたことがあります。その会社の社長は、「リスケをせざるを得ない状況に陥って初めて、売上ではなく利益率、特に粗利率を高め、適切な額の借り入れに抑える必要がある」とおっしゃっていました。
では対照的に、高粗利率の会社は、何%の粗利率を確保しているのでしょうか?①自社職人を抱え、②工事の外注量が抑えられ、③商品の仕入量が一定を超えディスカウントが効いている会社の場合、40%超の粗利率になることもあります。
工務店やリフォーム会社など、リフォーム業界内でのプレイヤーごとに、粗利率に大きな差があるという実態がお分かりいただけると思います。ところで、「この粗利率、いったい何%を切ったら営業利益が出なくなるのだろうか」と考えたことはございますか?実はリフォーム会社、工務店のリフォーム事業の財務諸表の分析をさせて頂くと、一般的に申し上げて、「粗利率28%」=「営業利益0%」のラインだということがわかっています。
そのため、粗利率が28%だとその事業を継続する価値がないライン。粗利率30%=営業利益率2%、粗利率35%=営業利益率8%、粗利率38%=営業利益率10%。したがって、多くの経営者が理想とする営業利益率10%の事業を作ろうと思うと、そもそも粗利率は38%を超えている状態が健全であるとお考え下さい。
そういった粗利率の平準化を行い、安定した利益率を確保している工務店・リフォーム会社のリフォーム事業者には、3つの共通する施策がありますので、ご紹介しましょう。
利益率・粗利率の見える化と反省会議
自社の粗利率は何%でしょうか?
「全体では~%くらいかな」
とはわかっていても、
先月は?今月は?個人では?とブレイクダウンしていくと、
「細かくはわかっていない…」
という方もいらしゃるのではないでしょうか?
1つめのポイントは、
1件当たりの粗利率、個人別の粗利率を見える化することです。
これは、個人への負荷を重くしたり犯人探しをしたりする目的ではありません。
会社の実情を的確に知るためです。
そして、それが見える化できたら、
毎月、社内で粗利反省会議をします。
粗利率が低下してしまった一事例を挙げて、
下がってしまった要因とその対策を全体共有する機会を設けることがポイントです。
02
自社の利益率・粗利率低減ポイントはどこかを知る
次に、粗利率の低下する要因はどこか、
自社のウィークポイントを知ることです。
粗利率が上がらない要因としては、
例えば、
・そもそもの設定が甘い
・チェック機能が無い
・施工を外注丸投げにしている
・仕入れルートの見直しをしていない
・価格勝負で値下げしてしまう
などが挙げられますが、
自社はそのどの部分が弱いのか?
そこをきちんと分析し、対策を取ることで具体的な行動目標が選択できます。
これによって、
商品づくりの部分なのか、仕入れなのか、施工時なのか、営業時なのか、
自社が粗利率を落とすタイミングの傾向もわかります。
03
利益率・粗利率に関する業務ルール設定と付加価値の創出
最後に、下限粗利の設定と予算帯別粗利率の設定です。
自社の専門を絞っていても、
リフォーム工事は多岐に亘ります。
そこで、一律の粗利率の設定ではなく、
小工事なら〇%、機器交換なら〇%、改修工事なら〇%と
予算帯ごとにルールを設定するのです。
それを経営者を筆頭に全社で下限を下回らないという意識が大切です。
さらに、粗利率が高い会社には、
「物売り」以上の付加価値を付けているということが言えます。
それは、
初期対応の早さであったり、見積提出スピードの速さであったり、
施工力や施工品質の高さであったり、
つまりは、選ばれるための差別化ポイントを創り出せているのです。
すべてを網羅していなくても大丈夫、
何か一つ、自社のアピールできるポイントを磨いてみてはいかがでしょうか。
すでにリフォーム事業を始められている企業様も
これからリフォームに参入しようとされている企業様も
これからの会社の強い基盤づくりの参考にしていただけますと幸いでございます。
以上、『 利益率が高い工務店&リフォーム会社が共通して実践していること3選 』についてお伝えしました。ぜひ御社の利益率改善、粗利率改善によって、儲かりにくいといわれているリフォーム事業を、収益の柱としていただけたらと思います。


