CONSULTING COLUMN
最新住宅業界動向コラム / 商圏・業績データ
集客が減っている状況もしくは増えない状況で、昨年並みか昨年以上に業績を伸ばしていくには、数値としては契約率を上げていくしかありません。契約率を上げるということは営業の生産性を向上していくことです。営業の生産性とは、初回接客から契約までの期間短縮です。契約率を上げる、契約期間を短縮する、そのために集客の適正数は必要ですが、数よりも質を重視すべきです。
ただ企業は、集客を増やすために経営をしているわけでも、契約を増やすためだけに経営をしているわけでもありません。最終的には利益追求のために経営をしています。利益追求という意味でも、契約率を上げることで契約単価を下げることができ、1組の契約を取るのに100万円かかっているのと50万円では、会社の手残りは大きく変わります。また、契約期間も1組の契約を取るのに、120日かかるのと60日で契約が取れるのとは、キャッシュフローが大きく変わります。なので、今は「とにかく契約が取れたらいい」という発想のままでは会社の売上は上がりませんし、なにより利益は残りません。利益が残らなければ新たな投資もできず、悪循環に陥ります。
利益は、契約率や契約日数以外に、最もわかりやすいのは粗利です。粗利と言っても粗利額と粗利率がありますが、重視すべきは粗利率です。なぜなら粗利額で見てしまうと、1棟で3棟分の大型物件があったりすると正しく把握できないからです。では、ウッドショックも落ち着いた今、ウッドショック前の粗利率まで回復していなければ、なにかしらの原因があると思われます。そこで今回のコラムでは、注文住宅会社が利益体制になるために取り組むべきたった2つのことについてお伝えさせていただきます。
「とにかく1組でも集客を増やして、生産性よりも契約が取れればいい」と思われているとしたら、今の時代には合っていない可能性があります。「契約が取れればいい」というスタンスでは契約も取れません。ラッキーパンチで契約が取れたとしても利益は残らないか、少なくなっているはずです。当然、値下げをして薄利多売で契約を取るのも愚策です。そんな状態は健全な会社経営ではありませんし、そんなやり方ではそもそも継続しません。集客数は増えておらず、集客数と逆行するように来場単価は年々上昇しており、1組来場してもらうのに10万円はかかる時代です。だからこそ、適正な利益を取らないと経営が成り立ちません。
では、利益の指数となる粗利率は何%が適正でしょうか?ウッドショックの資材高騰により、値上がり分を販売価格に転嫁できなかった会社は粗利率は25%を軽く割り込んでいました。但しそれは一時的で、今はウッドショックも落ち着き、ウッドショック前の利益率に回復している会社が多くなっているという状況です。来場単価も今の3分の1以下で、WEB広告などの費用がかからず折込チラシのみで集客できていたときは、粗利率25%で十分に利益が残っていました。でも今は、粗利率30%はないと次の手が打てません。25%では不十分なのです。
一般的に経常利益は4~5%あれば優秀と言われます。建物粗利が25%ならそもそも無理です。なので粗利率の適正値は30%以上です。粗利率30%を目指すなら、積み上げ方式では達成しません。30%を取るための商品構成、集客活動、営業手法の三位一体で取り組まなければ実現しません。営業担当者だけでも、マーケティング担当者だけでも、設計・コーディネーターだけでも、現場監督だけでも実現しません。全社あげて取り組まなければ実現しません。
ある注文会社から相談を受けました。何でもできるというオーダーメイドの注文住宅がウリで、初回接客から着工までの期間が160日を超えてしまっているので短縮させたいというのが主な相談内容でした。この会社の場合、初回接客から完成までだと入金までに280日かかります。これは今日初回接客したお客さまが無事契約に至ったとしても、会社に入金があるのは来年3月です。「280日かかろうが契約が取れればいい」というスタンスでは危険です。280日前に初回接客を行ったお客さまから、本日入金があるという“ところてん方式”でコンスタントに契約が取れればいいですが、そのようにはなりません。
この相談を受けた会社の課題は、初回接客から着工までの期間が長いことですが、それは契約期間が長いという単なる現象ではありません。高収益体質になるためにメスを入れる部分は主に、①商品を見直す②プロセスを見直すの2つです。
①は売る商品だけを見直しても効果はあまり期待できません。商品とは住宅会社にとっては建物ではなく、提供しているサービスすべてです。提供しているサービスを言い換えるとビジネスモデルです。ビジネスモデルとは、どのようなターゲット層に向けて商品を開発し、そのターゲット層をどのように集客して、契約を取っていくのか?という一連の輪(サイクル)です。利益が取れていない。初回面談から着工まで期間が長い。そうした多くの課題はビジネスモデルを転換することで解決できます。但し、ビジネスモデルを変えずに利益体制にする方法はあります。それは②プロセスを見直すことです。(コラム掲載不要→)具体的には…「続きはこちら」をクリック!執筆者プロフィールはコチラから
①商品を見直すとは、ビジネスモデルを見直すということです。②プロセスを見直すということは、ビジネスプロセスを見直すということです。では、ビジネスプロセスとはどういうことでしょうか?顧客に対して製品やサービスを提供するまでに生じる業務全体の流れのことを指し、組織の目的を実現するために組織関係者が行う一連のタスクや活動のことを示します。
住宅業界においてビジネスプロセスをわかりやすい表現に置き換えると営業フローです。先ほどの初回接客から着工までが長くなっている要因をビジネスプロセス目線で見たときに、プラン打ち合わせでどのようなツールを使って、誰が何をいつまでに行うかというTODOが決まっていない。そのために間取りや仕様打ち合わせが複雑化し、何度もプランや見積りをやり直す工数がかかり、人件費と工数(時間)は利益に影響しますので、契約が取れたとしても利益が取れていないということになります。注文住宅だとしても、バックオフィスは規格化していかないと利益が取れないのです。当然、住宅業界もアナログからデジタル化。さらにはDX化していかなければ利益体制に変えていくのは難しいでしょう。但し、ものごとは一足飛びには行きません。DX化するのにもプロセス(ロードマップ)が必要です。
今は、クラウドカメラを使うことで工務未経験でも遠隔施工管理ができると便利なツールも出てきています。当然ながらそのようなツールを抵抗なく利用していくことも必要ですが、注文住宅事業でしっかりと利益を確保し続けていくには、ビジネスモデルを見直すか?ビジネスモデルを見直せば、ビジネスプロセスも変わりますので、ビジネスプロセスだけを見直すか?どちらを選択するせよ、変化が求められているのです。
「なぜ自社が利益が取れないのか…」資材高騰により値上がり分を販売価格に転嫁できなかった会社は、粗利率は25%を軽く割り込んでいました。但しそれは一時的で今はウッドショックも落ち着き、ウッドショック前の利益率に回復している会社が多くなっているという状況です。もしウッドショック前の粗利率まで回復していなければ、なにかしらの原因があると思われます。そこで今回は、全国各地で驚きの原価削減・人工削減事例が続出しているコストダウン手法公開し大好評だったセミナーを4日間限りでオンラインにてアンコール開催しますので、ぜひ奮ってお申込みください。
<このような方におすすめ!>
✓ 明日からできるコストダウン手法を知りたい経営者様
✓ 価格高騰時代に業績を伸ばす方法を知りたい経営者様
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✓ 地域トップビルダーの原価資料や成功事例を知りたい経営者様
✓ 原価が上がって粗利率が低下してしまっている経営者様
<本セミナーで公開する6つのコストダウン手法>
【公開1】原価削減法公開!
普段仕入れている業者から原価を落とす秘訣
【公開2】粗利率改善!
自社の適正価格を把握して粗利率30%を目指す方法
【公開3】業者交渉術公開!
最大120万円の原価削減に成功した交渉術
【公開4】商品・営業戦略公開!
価格高騰時代に必要な商品戦略と営業戦略
【公開5】粗利額を最大限確保!
発注漏れやミスを防ぐ業務フロー・ルールの仕組み化
【公開6】新規業者開拓!
既存業者との関係を維持しながら新規業者と付き合う方法
<開催要項>
◆開催日時
・2023年11月 6日(月)13:00~15:00 ※申込期限11月1日(水)本日〆切!
・2023年11月 7日(火)13:00~15:00 ※申込期限11月3日(金)〆切まであと3日!
・2023年11月 9日(木)13:00~15:00 ※申込期限11月5日(日)〆切まであと5日!
・2023年11月10日(金)13:00~15:00 ※申込期限11月6日(月)〆切まであと6日!
◆開催形式
・オンライン開催(PCがあれば全国どこからでも参加いただけます)
◆参加費用
・一般価格 5,000円 (税込 5,500円)/ 一名様
・会員価格 4,000円 (税込 4,400円)/ 一名様
※ ご入金の際は、税込金額でのお振り込みをお願いいたします。
※ 会員価格は、各種経営研究会・経営フォーラム、および社長onlineプレミアムプラン(旧:FUNAIメンバーズPlus)へご入会中のお客様が、ご登録のメールアドレスよりお申込された場合に適用となります。社長onlineプレミアムプランにつきまして、詳しくはこちらをご確認ください。
<セミナー内容>
価格高騰時代に工務店がとるべき対策
2023年現在までの住宅価格状況と価格高騰時代に工務店が取り組むべき対策とは?
コストダウン手法を大公開
価格高騰時代でも勝ち続ける地域トップビルダーの原価資料を公開!明日からできる具体的なコストダウン手法とは?
株式会社 船井総合研究所 竹内 祐輔
本日のまとめ
本日のセミナーを振り返り、本日から実践してほしいこととは?
株式会社 船井総合研究所 西村 茂和