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集客好調企業に共通する2つのキーワードから見える住宅業界の集客対策とは?

船井総合研究所 住宅支援部の西村茂和です。

住宅界における今年2023年のGW集客が出揃ってきました。昨年2022年との違いを改めて振り返ってみると、まず曜日です。昨年は、前半の4/29(金)~5/1(日)、平日1日を挟んで中盤の5/3(火)~5(木)、また平日1日を挟んで終盤の5/7(土)~8(日)と、集客策が取りやすく前半、中盤、後半とわかれていました。因みに、集客が好調だった一昨年2021年のGWは、5/(土)~5(水)と平日2日を挟んで5/8(土)~9(日)と前半と後半にわかれていました。

今年2023年は、前半の4/29(土)~30(日)。中盤がなく平日2日挟んで後半の5/3(水)~7(日)でした。まったく同じ並びだったのは2018年です。GW集客は統計的に、前半と後半に集客が期待で、中盤は最も集客が少ない期間となります。2022年のように前半、中盤、後半と3つにはっきりわかれているのが一番集客策を立てやすく、今年2023年のように中盤と後半が一緒の並びになっているのが一番集客策を立てにくくなります。なぜ立てにくいかというと、集客が期待できる後半の集客を確保するための販促のタイミングが難しいからです。とにかく中盤は集客のみならず反響も獲得しにくいタイミングです。どこで後半の集客策を打つべきなのか?今年の正解は4/27(木)~5/2(火)の6日間にWEB広告を増額するなどの策を講じることでした。正しく大晦日から正月三が日と同じです。

もうひとつの違いで、最大の違いは、行動制限が完全に撤廃されたことです。日本航空においては、国内線の総旅客数が2018年度比101.5%まで回復し、コロナ前を上回りました。JR旅客6社の利用実績は、新幹線と在来線特急などの主要線区の乗客数が、22年比1.32倍でした。このように今年2023年のGW集客は逆風でした。そこで今回のコラムでは、気になるGW集客の結果と、集客好調企業に共通する2つのキーワードから見える夏休み集客の対策についてお伝えさせていただきます。

この先2年を占う2023年のGW集客の結果は?

では、今年2023年のGW集客はどうだったでしょうか。正確なデータは、昨年2022年と曜日の並びが同じだった2018年と比べてみるのがいいでしょう。比べてみると30~50%ダウンしているところが多かった印象です。ネガティブに捉えると集客が減ったとなりますが、ポジティブに捉えると、広告費を使って新規集客がゼロだったという最悪のケースは免れたところが多かった印象です。やったらやったなりに、決して多くはないけどボチボチ集客があったという状況です。ただ集客はもはや、交通量調査のように、道路の端で座ってカウンターをカチカチさせて数えた数字に一喜一憂する時代ではなく、昨年と比べて、来場者の属性や来場までのリードタイムの変化など、点で捉えるのではなく、線で捉える集客に意識と行動を変えていくべきだと感じています。

とにかく、今年のGW集客は数だけでなく、色々な角度で分析した方がいいでしょう。なぜなら、今年の夏休みも同様だと思われるからです。GWは最大9日間でしたが、夏休みは少なくとも1ヶ月はあります。なので目先だと、今年の夏休みの集客対策に活かせます。遅くとも5月中に今年のGW集客を分析して、来月上旬頃には対策を決めて動き出す。このくらいのスケジューリング感が必要です。大事なことは変化を捉えることです。そのためのデータ取りと活用と言ったデータドリブン経営が集客にも必要です。

分析をした方がいい理由ももうひとつは、今年のGWから顧客行動が本格的な新時代に変わる分岐点になると思うからです。もう恐らく、国の大きな施策などがない限り、自然に集客が増えることはありません。まだ集客策に伸びしろがある会社以外は、既存事業の既存店舗の集客を増やす考えは難しく、増やすというよりいかに安定的にキープするかが重要です。集客を増やすという時代から、集客が読める、即ち安定している時代に変えていかなければなりません。その新たな集客の基準値となるのが今年です。GWは基本的に地域差がありません。日本全国一律に大型連休です。また期間も限られているため、数値が正しく把握しやすいのです。あとは、費用対効果以外のセッション数、クリック数と率に変化がないか?という見えない部分の把握も必要です。

2023年GW集客の2つのキーワードとは何だったのか?

そんな逆風だった2023年のGW集客でも、比較的集客が好調だった事例から集客改善のヒントが見えてきます。キーワードは「合同」と「複数」です。GW集客に限った事例ではありませんが、コロナ禍以降ここ2~3年、店舗集客よりも建物集客の方が取れる傾向にあります。正しい言い方をすると、店舗でのイベント集客は減っていますが、そのかわりに建物集客が微増しています。因みに、店舗への事前来店数は変化ありません。最も安定しているとも言えます。GWも建物集客は比較的好調でした。但し、この建物とは引き渡す前のお客さま邸ではなく、モデルハウスです。そのモデルハウスも期間限定の移動式展示場(売却予定のあるモデルハウス)が好調でした。

さらに、このモデルハウスの集客力を増すためのエッセンスとして、新規オープン以外に「複数」棟同時のモデルハウス見学会でした。1棟より2棟、2棟より3棟の「複数」見学できる方が単純に集客力は増します。この「複数」棟同時見学会もコロナ禍以降、好調な集客企画です。当然ながら、2棟同時見学会と言っても1棟見学会の2倍に集客が増えるわけではありません。ただ言えるのは、1棟見学会よりも確実に集客が取れるということです。あと「複数」見学会を打ち出しても集客がない場合は、それは「複数」見学するメリットをしっかりと訴求できていないか?1棟1棟の建物の魅力を訴求できていないか?のどちらか一方かその両方です。その観点で見直してみると改善策が見えてくるかも知れません。

もうひとつのキーワードは「合同」です。これも「複数」見学会と同じ発想で、1棟より2棟。1社で行うより2社で行う方が集客力は増します。グループ会社経営を行われているところだと、全社合同のビッグイベント企画を打ち出されていたり、地域の不動産会社などとの協業でイベントを開催されていたり、例え1社で行う場合でも、イベントの協賛を多くの会社から募っていたりと、それぞれの会社のパワーを集結させて行うイベントは比較的好調でした。このように全体としては集客が減少しているところでも、減少幅を抑えて必要集客数を確保することは可能なのです。

モデルハウスを中心とした事業戦略の組み立て

集客は何をするか?とどのように行うか?の両方が必要です。そのためには、常に集める場所が必要になってきます。「今月は見学会がないから集客ができない」なんてことを言っている場合ではありません。昔は、今月は見学会がなくても来月の見学会で2ヶ月分の集客を賄えたのかも知れませんが、今はそんな時代ではありません。もう1回の集客に昔のような爆発的な集客パワーはありません。あるとしたら、先ほど書かせていただいたような「合同」企画を3ヶ月前から企画するや「複数」見学会を仕込むといった集客戦略が必要です。

厳しい言い方かも知れませんが、毎月集める場所を確保できてようやくスタートラインです。それ以外の会社はまだ集客のスタートラインに立てても居ないと思われた方がいいでしょう。しかし、スタートラインに立てたからと言って集客が保証されているわけでもありません。それだけ厳しい世の中になっています。だからこそ、まずは毎月集める場所を確保することです。そうなったときに、集める場所はふたつあります。ひとつは店舗。事務所ではなくあくまでお客さまを集められる店舗です。そのような店舗がある会社は、イベントを計画してもいいでしょうし、少なくともウェブサイトには相談会でもいいので最低、月2回の何かしらのイベント情報をリリースしてください。店舗がない会社の場合は、店舗を建ててくださいというのは酷ですし、何より時間がかかります。そうした場合は、もうひとつのモデルハウスを持つことです。

これは常設でなくて結構です。まずは売却を目的とした移動式展示場を建てて、完成後から3ヶ月から半年間は集客を行うために確保します。理想は、完成前から売却活動を行い、モデルハウスの完成とともに客付けし、次の新しいモデルハウスが完成するまでの期間借りるというサイクルです。1棟のモデルハウスから1億円から3億円までの売上を生み出すことは可能です。立地が抜群で、集客数が落ちない場合は2~3年使うのもいいでしょう。このようにモデルハウス戦略を軸に集客策を組み立てていくというのが、最もリスクが少なく、効果が期待できる取り組みです。

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