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売れ続けるための住宅会社が今すぐ取るべき3種類のアンケートとは?

船井総合研究所 住宅支援部の西村茂和です。

マクロミルパネル利用のインターネット調査によると、住宅会社の選定理由で最も多かった項目は「商品に対する費用対効果への納得感」でした。これはなかなか興味深い結果で、価格が安いから選んでいるのではなく、費用対効果を重視しているということと、その費用対効果に対しては納得感を得ることが必要ということです。因みに「他よりも安いから」というのは10項目中7番目でした。安いから売れているわけではありません。費用対効果(コストパフォーマンス)がいいから売れているわけでもありません。その納得感を伝えられているか否かが契約の差、強いては業績の差となっています。

2番目に多かったのが「要望に合った商品」でした。これもお客さまの要望をすべて叶えた商品があるのではなく、自社の商品がお客さまの要望にピッタリであるというのを商談で伝えられているかどうかです。1番目と2番目は商品に関する項目でした。3番目は「営業担当の理解度」4番目は「営業担当の柔軟性」の営業担当に関する項目でした。5番目は「企業の実績」で会社に関する項目で、住宅会社の選定理由は、商品・営業担当・会社の3つというのがわかります。

見落としてはいけないのが、選定には、来場する会社を選定するという意味と家づくりを依頼する会社を選定するという2つがあります。商品の費用対効果への納得感や要望に合った商品であること。営業担当に対する期待感と安心感。会社に対する信頼感。それらを来場選定で伝えるにはマーケティング。契約選定で伝えるにはセールスです。これらを把握するのに有効なのがアンケートです。そこで今回のコラムでは、売れ続けるための3種類のアンケート活用法について一緒に考えていきましょう。

お客さまは「来場」と「契約」の2つの選定をしている

当然、来場選定してもらうのにセールス的要素で伝えると集客はありません。また、契約選定してもらうのにマーケティング的要素で伝えても決まりません。集客不調な会社ほどマーケティング的要素で伝えるべきところをセールス的要素で伝えようとしているのです。具体的には、集客が足らずに集客の最大化を目的にしたお祭りイベントを企画したにも関わらず、営業担当者が物貰い客などの無効客に意識が向いてしまい、結果的に中途半端なイベントになってしまって有効客すら確保できないという悪循環に陥ります。「あれ?なんでイベント内容が変わっているのですか?」とマーケティング担当者に尋ねると「営業からの意見で…」となることもしばしばです。集客の大前提は来場ファーストであることです。

話を本題に戻しますが、住宅会社の選定理由の3番目の「営業担当の理解度」と4番目の「営業担当の柔軟性」に関して解説しますと、理解度とはお客さま自身が「この営業マンは自分たちのことをわかってくれていそうだ」と感じさせることです。勿論、お客さまのことを理解する、理解しようとする姿勢は大事です。柔軟性の反対は頑なです。営業として妥協できないことがあったにせよ、その言い方が大事だということです。

冒頭でご紹介しました住宅会社の選定理由はマクロミルによる調査ですが、ぜひ取り組んでいただきたいのが、自社で行う独自のアンケートです。そこで知りたいのが、自社で契約していただいたお客さまが自社を選定してくれた理由です。それが商品力なのか?営業担当者力なのか?会社力なのか?それともそれ以外なのか?それを理解し、恐らくそれが自社の強みでもありますので、弱みを是正するよりも強みを伸ばす方が短期間で難易度低く成果が出ます。

売れ続ける「コロコロ」と「ちゃお」の共通点とは?

先日、TBSテレビ制作で毎週日曜7:30 – 8:00に放送されている生活情報バラエティ番組「がっちりマンデー!!」を見ていたときにもそう感じました。その回のテーマが「売れ続ける小学生ロングセラー商品」ということで取り上げられていたのが、小学生男子の流行を作り続ける雑誌「コロコロコミック(以下、コロコロ)」と小学生女子の流行を徹底リサーチする雑誌「ちゃお」でした。

「ちゃお」は22年間少女漫画雑誌No.1です。読者ターゲットを小学校3年生から6年生のオンリーワンになりたい女子に定めることで少女漫画雑誌の特徴を出せるとのこと。ターゲットは定めることはできてもそのターゲットが何を求めているのかを把握することは容易ではありません。そこで利用されているのが読者アンケートです。そんなアンケートをたくさん集めたいので懸賞プレゼントと一緒にしています。アンケートで聞くことは、今流行っているモノとイマドキの傾向。さらに約5000人に絞って行っているのがビッグアンケートというもので、ライフスタイルやオシャレ、恋愛などカテゴリー分けされた70項目の質問です。

一方「コロコロ」は私も小学生のときに読んでおり、創刊以来46年、小学生男子の4人に1人が読んでいるというNo.1の漫画雑誌です。そんなロングセラーの理由が、メインターゲットを小学校3年生から5年生のナンバーワンになりたい男子に絞っています。「ちゃお」がトレンドをリサーチするためにアンケートを行っているのに対して「コロコロ」はつまらなかったモノに注目しています。両方とも小学館が発行している雑誌ですが、住宅会社経営にも活かせそうではないですか?

売れ続けるために今すぐ取るべき3種類のアンケート

アンケートに関しては、住宅会社はもっと積極的に実施した方が良いと感じています。世の中には様々なリサーチ会社があり、様々な情報で溢れています。我々コンサルタントがこうしてお伝えしているのもひとつの情報です。こうしたマクロの情報は知っておくべきですが、絶対に知らなければならないのが自社を選択してくれたお客さまの情報です。この情報が自社にとっては最も正確で、今後の施策に活かせます。

住宅会社が今すぐ取るべきアンケートは3種類あります。1つめは来場時アンケートです。これを取っていないところはないと思いますが、取るべきタイミングが以前よりとは変わっています。今は来場前です。来場予約が入ったときに予約フォームにセットしてある場合と、予約後にメールやSMSで送ります。こうすることで来場前の対策を取ることができるのです。そして長年の課題だった、アンケートのデジタル化も一気に推進できます。

2つめが契約時アンケートです。主に聞くことは、なぜ当社を選ばれたのか?その一番の要因となったものはなにか?という選択ニーズと、打ち合わせの満足度です。あと最もテンションが高まっているこのタイミングで紹介促す項目も入れてもいいでしょう。3つめが引き渡し1年後に行う引渡後アンケートです。目的は住み心地の満足度と紹介です。こうしたアンケートは社内研修にも役立ちます。来場アンケートと契約時アンケートを分析することで、自社のターゲット客が明確になり、またどんなニーズを持っているのかという属性がわかり、集客と営業に活用できます。引渡後アンケートでは実際に住まれているお客さまの満足度を知ることで、自社の家づくりの強みがわかります。また来場時アンケートを公表しませんが、契約時アンケートと引渡後アンケートは自社のPRとして活用できます。このようにアンケートを実施しない理由はないのです。

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