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最新住宅業界動向コラム / 商圏・業績データ

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住宅会社の売上アップ方程式と今狙うべき成長している空白マーケットとは?

船井総合研究所 住宅支援部の西村茂和です。

ものごとには原理原則が存在します。住宅事業における勝ち方(業績の伸ばし方)は実は決まっています。なので業績の伸ばし方がわからないということはなく、自社は何に注力(投資)をすれば業績アップの最大化が図れるのか?が重要で、実際に注力したところで業績が伸ばせるのか?という2点に集約されます。

年間棟数は、店舗数×営業人員×パーヘッド(1人当たり売上高)で決まります。例えば、A社は1店舗のみで営業人員が3名でパーヘッドが5棟であれば、A社の年間棟数は15棟になります。B社は3店舗展開していて営業人員が9名でパーヘッドが5棟であれば年間棟数は45棟になります。この差はパーヘッドではなく、単純に店舗数と営業人員数です。住宅業界は労働集約型のビジネスモデルですので、業界としての一人当たり生産性やパーヘッドは決まっています。50棟契約するには最低限6名から8名の営業マンは必要で、少なくとも営業マンが6名在籍していない段階で50棟契約はほぼ不可能ということになります。

年間棟数はかけ算ですので、3つのうちどれかを上げられれば業績は上がります。経営は難易度が高いことよりも、比較的に難易度が低く、効果が得られる見込みのあることを優先して取り組むべきです。難易度という視点で見たときに、高い順に並べるとパーヘッド→営業人員→店舗数です。なぜ店舗数がもっとも難易度が低いのかというと、結局のところ営業人員が足らないから店舗数を増やせないからです。なので営業人員を増やすのは難易度が高いのです。もうお気づきかも知れませんが、業績が伸びずに苦戦している会社ほど、最も難易度が高いパーヘッドを上げることをしているのです。そこで今回のコラムでは、住宅会社の売上アップ方程式と今狙うべき成長している空白マーケットについて一緒に考えていきましょう。

標準化を図るための住宅営業のKPIと伸ばしやすいポイント

住宅営業におけるパーヘッドを構成するものを分解してみると、KPIとしては、初回接客数×契約率×契約日数です。売上高(粗利高)をKPIにしていないのは、粗利率の設定や値引き云々は会社でコントロールできるからです。そして、仮に1棟単価2000万円の家を5棟契約して1億円売るのと、1棟単価5000万円の家を2棟契約して1億円売るのでは、売上高的には同じだからです。つまり1棟単価は関係なく、仮に単価が低くても契約日数でカバー(回転率)できるからです。これもかけ算ですので、この3つのうちの1つでも上げることができればパーヘッドは上がります。

しかしながら、集客が増えない昨今の状況において初回接客数を無尽蔵に増やしていくことは困難です。だからといって、契約率を上げるのも非常に困難です。敢えてこの3つの中で難易度が低いのは、契約日数を短縮していくことです。これは営業マンの努力というよりも時流(顧客動向)の変化です。認知から来場までのリードタイムは年々長くなっていますが、来場から契約までのセールスタイムは年々短くなっています。例えばローコスト住宅であれば、基準は初回接客から契約までは1ヶ月(商談回数3~5回)です。これが2ヶ月以上かかってしまうと、契約までの期間が長引くのではなく契約自体が取れなくなります。回転数を高めていくためにも、基準の契約日数を設定するのをオススメします。売る営業マンほど期日意識が高く、売れない営業マンほど期日意識が低いのです。まずはその中でも難易度が低い契約日数を標準化するためのKPIでもあります。

ただとちらにせよ、パーヘッドを上げていくというのは難易度が高いので、それよりも営業人員数を増やす方に意識を向けていくべきです。業績が伸び悩んでいる住宅会社ほど、営業マンの人数を照らし合わせてみるとほぼ合致します。営業人員が増えていないどころか減っている。営業が減ることに比例して、ほとんどの場合で集客を弱めることが多いので、集客も減っていっている。その悪循環に陥っているケースも見受けられます。

住宅ビジネスにいけるシェア理論と自社が取るべき戦略

経営の目的は売上と利益の確保です。その視点で見た場合、商圏(エリア)と商品(ビジネスモデル)との関係性が重要です。これも難易度が関係します。最も難易度が高いのは、自社の認知度がほとんどない新規商圏で、これから新規で立ち上げる商品を展開することです。それよりも難易度が一段下がるのは、自社が展開している既存商圏で新商品を展開することです。反対に最も難易度が低いのは、既存商圏で既存商品を伸ばすことです。

なので、まずは既存商圏において既存商品でどこまで伸ばせるかの1点に絞られます。ではどこまで伸ばせるのか?住宅業界にもシェア理論が存在します。4%のシェアで存在シェアと言って、家づくりを考え始めているお客さまから自社をこのことを「なんとかく聞いたことある」レベルで認知し始めるようになります。新築住宅が年間500棟建っている商圏エリアだと20棟の完工です。その次の段階は7%のシェアで地域一番店シェアと言って、家づくりを考え始めているお客さまから明確に「知っている」会社になります。同じく500棟商圏だと35棟の完工です。さらにその次は11%のシェアで圧倒的一番店シェアと言って「(自社のことを)知っている」だけに留まらず「(一度は)行ったことがある」会社になります。

どこまで伸ばせるのか?伸ばすのか?に関しては、まずは4%シェアの獲得です。さらに既存商圏でのシェアを4%から7%へ伸ばすのであれば、既存商圏×既存商品だけで伸ばせるのか?既存商圏×新商品(新ビジネスモデル)を投入すべきか?の判断が必要です。もしくは、新規商圏×既存商品で伸ばすのか?という選択肢も考えられます。4%シェアを目指すにせよ、7%シェアを目指すにせよ言えるのは、旧帝国陸軍が戦ったガダルカナル島での戦いのように、戦力の逐次投入的なちまちました打ち手をするならしない方がましです。それが経費発想ではなく投資発想です。(コラム掲載不要→)売上アップのために住宅会社が今狙うべき成長している空白マーケットとは?

非住宅という成長している空白マーケット

ここまでお伝えした業績の伸ばし方は、あくまで住宅会社にとっては本業である住宅事業の伸ばし方です。本業が儲かっているのが前提ですが、既存商圏で4%のシェアを獲得できているのであれば、住宅事業以外で業績を伸ばすという方法もあります。船井総研では売上アップは、MS(マーケットサイズ)の付加×商圏人口の拡大×シェアアップという方程式で算出します。ここまでにお伝えしたのが、主に商圏(人口)とシェアについて。もうひとつはMSです。

MSとはマーケットの市場規模です。付加とは、例えば住宅会社が飲食業やリフォーム業に参入することで、新たなマーケット(市場)を追加することです。最近よく聞く、多角化経営やコングロマリットというのは、このMSの付加に該当します。MSを付加して売上アップするためのポイントは、本事業とのシナジーが生まれるものであること、もしくは自社の強みを活かせるものであることのどちらか一方か、その両方です。

では住宅会社にとって今ピッタリなものは何かと言えば、非住宅です。それも鉄骨やRCではなく、住宅建築の延長線上で取り組むことができて住宅会社にしかできない木造施設建築です。施設建築なのでお客さまは法人、つまりBtoBの領域になります。住宅はBtoBビジネスですので売る相手が変わります。注目すべきは非住宅木造建築の市場性です。2021年の建築基準法改正によって民間建築の木造化を推進する動きが加速し、林業保全の観点や脱炭素化社会実現に向けた取り組みによって、官民連携で地域の木材利用を推進しています。さらには補助金などの活用も民間建築の後押しになっています。そんな成長マーケットですが、まだまだ木造の割合が少なく、地域のゼネコンは大型建築を狙っており、そもそも木造の建築実績が少ないので積極的に提案しません。つまり、空白マーケットです。自社の強みが活かせる成長する市場で、まだ競合が少ない空白マーケット。なので、非住宅が住宅会社から注目されている理由です。

【注目されている非住宅市場の攻略方法が1日でわかる!】住宅会社のための木造非住宅建築成功事例企業視察ツアー2023

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住宅業界に漠然とした不安を感じ、次なる一手のヒントを探されている経営者様
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<本セミナーで学べる3つのポイント>
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◆Point.02
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◆Point.03
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<視察会内容>
第一講座:船井総研よりご案内
第二講座:相羽建設本社社内ツアー
第三講座:木造非住宅建築事業の秘密に迫る
     講師:相羽建設株式会社 代表取締役 相羽健太郎氏
第四講座:シェアタイム
第五講座:船井総研よりまとめ講座

<開催要項>
◆開催日時
・2023年12月5日(火)13:30~16:30(集合時間13:15)
◆開催形式
・現地視察
◆開催場所
・相場建設株式会社本社(東京都東村山市)
◆集合場所
・西武鉄道東村山駅
◆参加費用
・一般価格10,000円(税込11,000円)/1名様
・会員価格 8,000円(税込 8,800円)/1名様

※住宅ビジネス研究会、平屋住宅ビジネス研究会、グレートビルダー経営者研究会、ZEH・高性能住宅研究会、デザイン住宅研究会、2人暮らし新築研究会の会員様は1名様会費充当となり、2名様目以降追加参加料8,800円(税込)でご参加いただけます。
※ご入金の際は、税込金額でのお振り込みをお願いいたします。
※会員価格は、各種経営研究会・経営フォーラム、および社長onlineプレミアムプラン(旧:FUNAIメンバーズPlus)へ、ご入会中のお客様のお申込に適用となります。詳しくは社長onlineをご確認ください。
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