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最新住宅業界動向コラム / 商圏・業績データ

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これまでのタブーを破れ!住宅業界版のユニクロとGUの店舗戦略で既存店舗の集客を伸ばす非常識な成功事例とは?

船井総合研究所 住宅支援部の西村茂和です。

住宅会社・工務店の集客数を増やすための王道戦略は、集客する店舗数を増やすことです。1拠点よりは2拠点で集客する方が会社としての集客数は増えます。そしてそれをA商圏、B商圏、C商圏というように商圏を拡大していくことです。

商圏拡大をせずに同商圏で行う場合は、価格帯が違う事業を立ち上げて、それぞれの店舗で集客を行うことです。そうすることで、例えば30坪以上の自由設計の注文住宅で集客できる客層と、30坪以下の規格住宅で集客できる客層は異なるため、お互いの事業で客層の取り合いになることはなく、会社として地域における集客率をアップすることが可能です。

商圏を拡大しながら拠点を増やす。商圏を拡大せずに同商圏で客層が異なる事業を立ち上げて、店舗展開を行う。この2つの戦略がこれまでの王道戦略であり成功のセオリーでした。ところが、これまではタブーとされていたある集客戦略で成功されているある住宅会社があります。今回から3回に亘り、これまでの成功セオリーを覆す非常識な成功事例をお伝えさせていただきます。

既存店舗の集客を増やすための王道戦略とは?

冒頭で、集客を増やすための2つの王道戦略についてお伝えしました。
・商圏を拡大しながら拠点を増やす
・商圏を拡大せずに同商圏で客層が異なる事業を立ち上げて、店舗展開を行う

実はこれらに加えてもう1つ、集客を増やすための戦略があります。上記2つは、あくまでも会社としての集客数を増やすための戦略でした。では、既存店舗の集客数を増やすにはどうしたらいいでしょうか?
・見学会や集客イベントの開催回数を増やす
・チラシの部数、WEB広告費を増やすために販促費を増額する
・新しい土地を仕入れて、土地反響を増やす

これらは確かに既存店舗の集客を施策ではありますが、戦略ではなくあくまで戦術です。手法より戦術。戦術より戦略を取ることの方が業績にインパクトが出ます。既存店舗の集客数を増やすための集客戦略とは、店舗を大きくすることです。50坪の店舗を100坪の店舗に広げる常設展示場が1棟だったのを2棟に増やす。全国で展開するタマホームも、事務所棟に加えて、常設展示場が1棟タイプなのか?2棟タイプなのか?3棟タイプなのか?で集客数は違ってきます。

住宅業界版のユニクロとGUの店舗戦略とは?

店舗の大きさに関しては、例えば1000棟商圏と200棟商圏では市場規模が5倍違うので検討された方が賢明です。ただ、店舗(売り場)面積を拡大することは、住宅以外の小売店を見てみてもその効果は実証済みです。既存店舗の集客を増やすには、とにかく面積を拡大することです。

冒頭で「これまではタブーとされていたある集客戦略で成功されているある住宅会社があります」とお伝えさせていただきましたが、その会社が取っている集客戦略は店舗拡大です。そしてその敷地内には3棟の常設展示場を建てられています。なので、実は成功のセオリーを踏襲されています。ただ、タブーだったのが、同商圏で同価格帯の2つの住宅事業を同居させた店舗で集められているという点です。

価格帯が違えば集める客層が異なるため、同商圏で2つの住宅事業を同居させた店舗で集めてもさほど支障はありません。ユニクロを思い浮かべていただければ、最初の頃は、ユニクロとGUは別々に店舗を構えていましたが、最近では同居型で店舗展開しているところも増えてきました。これは同じ会社なので店舗開発費と賃料が抑えられるというメリットがありますが、ユニクロとGUとでは客層が違うためそれぞれに集客が可能であることと、同居させることで集客パワーが増してシナジーを生んでいるのです。

タブーだった戦略で集客を伸ばす山口の池田建設の事例

山口県を拠点に住宅事業を展開されている池田建設という会社があります。主力事業は「いえとち本舗」というFCに加盟され、イエテラスという低価格な省エネ住宅商品を県下4拠点で事業展開されています。同社の本社を構えるのが山口市で「いえとち本舗山口店」では山口市と隣接する防府市を商圏とされています。

そこに昨年1月から「アイスタイルハウス」という自社独自の低価格なデザイン住宅事業を立ち上げられ、本社移転に伴い「いえとち本舗」と「アイスタイルハウス」の2つの同価格帯のブランドを1つの拠点で展開されています。敷地内にそれぞれのブランドの常設展示場を建てられていますが、集めるのはあくまで店舗。その店舗はお客様の入口は1つで、受付を挟んで右と左でブランドが分かれている構造です。そこで2つのブランドがそれぞれに集客活動を行っています。いくらそれぞれで集めると言っても、価格帯を同じでしかも同じ店舗を集めるとお客様を奪い合いのでは?と思われるかもわかりませんが、同社においては集客が純増しました。集客が純増することで契約も純増しました。成功した要因は3つあります。(1)2つのブランドを同居させることで集客パワーが増したこと。(2)同じ店舗だがそれぞれで看板を掲げたこと。(3)売る営業マンも分けたこと。これがこれまでの成功セオリーを覆す非常識な集客戦略で成功されている事例です。

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