CONSULTING COLUMN
最新住宅業界動向コラム / 商圏・業績データ
2019年1月に発売され一躍日本中で話題になった福田康隆氏による書籍「THE MODEL」では、効率化を突き詰めるための営業活動について書かれています。読まれた方も多いかと思いますが私個人としてこの本を読んで、今後のビジネススタイルは大きく変貌すると確信しました。具体的には、住宅業界においては営業活動そのものが、これまでの旧来の手法とは変えていかなえればならないという、ある種の危機感です。
「THE MODEL」とは、セールスフォース・ドットコム社で磨かれた営業の分業体制のことです。本書の中で、営業プロセスは「マーケティング」「インサイドセールス」「営業」「カスタマーサクセス」の4段階にわけられています。マーケティングは、主にリード(見込客名簿)の獲得です。そのリードに対して、メールマガジンやウェブ広告配信、SEO対策、SNS運用など、さまざまなツールを使って自社の認知を獲得し、興味・関心につなげていきます。インサイドセールスは、主にナーチャリング(顧客育成)です。電話やステップメールなどで直接コミュニケーションを取ることで、獲得したリードの購買意欲をより高めて来場してもらうために、営業にパスする役割を担います。営業は、フィールドセールス(アウトサイドセールス)で、顧客と商談をして契約を獲得する役割です。カスタマーサクセスは、既存顧客の満足度をアップさせて、アップセルおよびクロスセル(住宅会社だと案件紹介)を促す役割です。
これまでは営業が4つのプロセスすべてに関わっていましたが、これからは各領域を専門担当者の業務に切り分けることで、それぞれの KPI の達成に注力していかなければなりません。営業が顧客に初めて接触するとき、すでに商談プロセスの半分以上は終わっているという事実の元、企業のマーケティング、営業活動は変革を迫られているのです。そこで今回のコラムでは、過去から振り返るこれから先のマーケティング未来予測についてお伝えさせていただきます。
住宅業界も昔は営業マンがチラシを制作するなどリード創出に携わっていましたが、それだと今は、目まぐるしく変化する集客環境には適応できません。冒頭でご紹介した4つのプロセスで営業が担うのは当然ながら「営業」です。会社として、いかに営業が「営業」に注力する環境を整備するかが効率化と生産性向上に直結します。以前もコラムで書かせていただきましたが、自社サイトからの来場予約は減少傾向です。しかし、このような状況でも安定的に来場を確保できている会社は、来場予約ではない資料請求や会員登録、ポータルサイトからの獲得したリードに対して、インサイドセールスを行い来場獲得しています。「インサイドセールス」と「営業」は分業を行い、体制をわけなければ成果はでません。
「電話掛けは営業の仕事だ」とか「電話掛けがなくなると営業の仕事がなくなるので困る」とコンサルティングを行っているクライアント先から言われることがありますが、営業がインサイドセールスを行うと、反響名簿から10%の来場を獲得するのが限界値です。10%と言うことは10組に1組です。反響獲得単価のベンチマークは3~5万円台ですので、仮に3万円で低く見積もったとして1組の来場単価は30万円です。それならチラシを配布したり、来場獲得のためのウェブ広告やSNS広告をする方が費用効果はいいのです。しかしそれでは来場数は増えないのと、何より広告からの来場獲得の一本足は不安定です。
来場単価は目に見えるコストです。経営者として把握しないといけないのは、電話掛けをしている工数と人件費の見えないコストの方です。住宅営業の役割は、サッカーで例えるならFWでゴールを決めることです。場合によって守備はしなくて構いません。究極の営業の仕事は、元サッカー日本代表の武田修宏選手のように、とにかく“ごっつあんゴール”でもいいので得点を決めて勝利に貢献することです。
住宅業界におけるマーケティングの変遷を振り返ります。2009年まではアナログ時代でした。「家はまだ買うな!」というコピーを使ったモノクロチラシが爆当たりしていた時代です。この時代の集客のキーワードはチラシで、主に経営者や営業担当者がチラシを作成していました。まだホームページ自体が黎明期で、チラシを見てホームページを検索して来場するフローではなく、今からは想像もできませんが5万部配布のチラシで何百組もチラシを握りしめた新規客を集客することも可能で、チラシ作成にマーケティングの工数全てを投入できていた時代でした。
2007年からリーマンショックにより住宅業界のマーケティングも徐々に変化していきます。2010年から2014年は、いよいよデジタル時代の幕開けが訪れます。この時代の集客のキーワードはチラシとホームページの融合です。020(Online to Offline)マーケティングという概念が現れ、オンライン(ホームページなどのウェブサイト、インターネット広告、SNSなど)で広く情報発信をし、集めた見込客をオフライン(実店舗)へ誘導して購買を促す施策が必要になりました。チラシが下火になったというよりも、これまではチラシを握りしめて来場してもらう役割から、まずは自社のホームページに誘導するためのチラシに役割が徐々に変化していった時代です。ホームページがないと集客が厳しくなっていきました。また東日本大震災によりSNSの情報拡散の有効性が見出されました。マーケティングにおいてもオンラインが重要になり、営業担当者ではなくマーケティングの担当者を兼任もしくは専任で置き始めるようになりました。
2015年から2019年は、本格的なデジタル全盛時代です。集客のキーワードは、ウェブ広告とSNS広告です。この時代になるとチラシを止める会社も出始めましたが、チラシがゼロになることはなく、また020マーケティングという概念もあり、ただウェブ広告とSNS広告に取り組まないと集客が担保できなくなりました。そして、チラシ作成、ホームページのコンテンツ更新、SNSでの情報発信にウェブ広告とSNS広告というように業務が膨大になり、マーケティングの担当者は兼任から専任に切り替わります。(コラム掲載不要→)2020年からの2024年までの集客キーワードと2025年以降に向けた対策とは?「続きはこちら」をクリック!執筆者プロフィールはコチラから
2020年から2024年は、反響からの来場獲得の時代です。集客キーワードはインサイドセールスです。チラシだけで来場獲得できる時代はとっくに過ぎ去り、今は、チラシを含めた来場獲得のための広告とウェブ広告にSNS広告、そして自社ホームページ(特にラストワンマイルのイベントページの作り込み)の3点が揃っていないと来場が獲得できない時代になりました。当然ながら、こうなれば社内に専任のマーケティング部隊が絶対に必要です。それも主に紙媒体とホームページを更新する担当者と、ウェブ広告とSNS広告、SNSでの情報発信を行う担当者の2系統必要で少なくとも2名体制です。
来年以降の2025年から2029年は、顧客育成の時代になります。集客のキーワードはナーチャリングです。なぜ顧客育成が必要かと言えば、認知から来場までの時間は年々長期化傾向です。これまで住宅業界のマーケティングは、来場してもらった瞬間から始まるものが、反響してもらった瞬間に変わり、これからは反響してもらう前から既に始めなければならないというのを示唆しています。つまり、何かをきっかけに自社のホームページを閲覧してもらったユーザーをマーキングし、来場するのを待つではなく来場するためにデジタル上での接点で誘導するという考えです。所謂、来場する前のデジタル上でいかに顧客体験を提供できるかです。
勿論、ナーチャリングだけやっておけばいいというわけではなく、チラシや広告も必要ですし、ウェブ広告とSNS広告も必要です。つまり、デジタル対応とインサイドセールスは当たり前のように必須です。今の時代は集客活動がより細分化され、マーケティングの主な仕事はリード獲得になり、もうひとつはインサイドセールスの2つにわかれています。このインサイドセールスの要素で必要になってくるのがナーチャリングという概念です。そうなればナーチャリングを行う専門部署も必要です。場合によってはアウトソーシングするというのも選択肢のひとつです。社長が今のマーケティングの細部をすべて知る必要はありません。時代の流れと概念さえ抑えておけば、細かい広告の運用はわかる人を採用してやってもらえればいいのです。なので、このように実は集客に苦しんでいる会社は、手法論に至る前に体制構築ができていません。採用活動も同様ですが解決策は人事戦略にあります。
コロナ禍を経て1組当たりの来場社数は激減しています。一方で情報収集をする社数は減っておらず、むしろ来場数と比較すると増えている傾向にあります。つまり、2024年安定集客のカギはチラシやウェブ広告からの直接来場より、反響から呼び込む間接集客の来場比率を上げることです!詳しくはセミナーで余すところなくお伝えしますので、奮ってお申込みください。
<このような方にオススメです>
✓ WEBサイト・ポータルサイト反響からの来場率と成約率を上げたい経営者様
✓ Web広告もインスタ広告も以前より効果が出なくなったとお困りの経営者様
✓ 高騰する販促費をできる限り効率化して成果を出したいとお考えの経営者
✓ 激変する今後の住宅業界の動向と最新デジタル集客を知りたい経営者様
✓ 安定的に集客が増えている他社の成功事例を知って取り入れたい経営者様
<本セミナーで学べるポイント>
◆Point.01
住宅業界の最新動向を徹底解説
全国500社以上の住宅会社の業績動向からみる住宅業界の最新動向と今すぐにでも取り組むべき集客対策についてお話いたします。
◆Point.02
集客トレンドとポータルサイト活用事例
業績アップに欠かせないポータルサイトからの反響を来場・契約に繋げる手法と活用事例を伝授いたします。
◆Point.03
ポータルサイトからの反響を来場・契約に繋げる手法
ポータルサイト反響から来場までの仕組みを構築するために具体的に何をすればいいのか?成果に繋げる具体的ノウハウをお伝えいたします。
◆Point.04
ポータルサイト×インサイドセールスで来店率30%超えを実現するセールストークのポイント
反響から来店率30%を実現したインサイドセールス戦略と実際のセールストークをお伝えいたします。
<開催要項>
◆開催日時
・仙台会場 :2024年2月27日(火)13:00~16:00(開場12:30~)
・名古屋会場:2024年3月 5日(火)13:00~16:00(開場12:30~)
・大阪会場 :2024年3月 7日(木)13:00~16:00(開場12:30~)
・東京会場 :2024年3月14日(木)13:00~16:00(開場12:30~)
◆開催会場
・福岡会場 :The Company HALL HALL2(福岡市中央区天神4-3-8 ミーナ天神8階)
・仙台会場 :山一仙台中央ビル4階 カンファレンスルーム(仙台市青葉区中央1-6-18 山一仙台中央ビル4階)
・名古屋会場:名駅セミナーオフィス 会議室ルームC(名古屋市西区名駅2-25-3 ハイネスト浜島2階)
・大阪会場 :船井総合研究所 大阪本社(大阪市中央区北浜4−4−10 船井総研大阪本社ビル)
・東京会場 :TKP東京駅カンファレンスセンター カンファレンスルーム11C(東京都中央区八重洲1−8−16)
◆費用
・一般価格10,000円 (税込11,000円)/1名様
※ご入金の際は、税込金額でのお振り込みをお願いいたします。
<セミナー内容>
今の顧客動向と今後の住宅業界の動向予測と取るべき対策
今後の住宅業界動向から集客・受注手法まで、全国の成功事例をもとに専門コンサルタントの知見を踏まえてわかりやすくお伝えします。
株式会社 船井総合研究所 西村 茂和
資料請求時代の終焉と成約につなげるポータルサイト活用法
来場単価4万円、契約単価20万円で成約につながった提案依頼サイトのポータルサイトの成功事例をお伝えします。
タウンライフ 株式会社 取締役 営業本部長 長尾 暢人 氏他
反響獲得からの来場が増加した成功事例と即使える実践ノウハウ大公開
自社サイト・ポータルサイトから契約率30%超えの見込客を呼び込むインサイドセールスの成功事例をお伝えします。
株式会社 船井総研デジタル 池内 愛