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完工20棟すべてクレームだった工務店が取り組んだ14の施策とは?

船井総合研究所 住宅支援部の西村茂和です。

ある地域で3本の指に入る地域ビルダーの今年度と昨年度の来場者分析をしていたところ、紹介による来場割合が70%ダウンしているのが判明しました。その原因を聞いたところ、去年から今年にかけて現場でのクレームが多発したからとのこと。来場割合が減っているということは、紹介からの新規来場数そのものが減っていることを意味します。因みに、この地域ビルダーは年間に100棟以上の契約ですが、毎年そのうち約60%が紹介からの契約でした。今年度も契約者のうちの紹介経由での契約割合は昨年度と同様の約60%台ですが、紹介経由での来場数が減っているため契約棟数としてはダウンしており、全体の契約棟数が伸び悩んでいるひとつの要因となっています。

新規来場数が増えないここ1~2年は、紹介経由の来場と契約は会社にとっては生命線です。当然、減っているとなるとすべての数値が減っていると思われますが、販促活動からの集客数と契約数。紹介活動などからの集客数と契約数を直近3年で見てみると、正しい自社の状況が見てくるかもしれません。例えば、販促活動からの割合よりも紹介活動からの割合の方が落ち込んでいたとすると、販促を強化する前に紹介活動はしっかり行えているかどうか?とクレームが増えていないかどうか?の点検が必要です。

先ほどの地域ビルダーの場合は、販促活動の来場数は昨年度より好調でしたが、紹介活動からの来場数が70%ダウンしていたため、年間の来場数と契約数が減少していました。そこで今回のコラムでは、住宅業界におけるクレームの実態と、完工20棟すべてクレームだった工務店が取り組んだ14の施策について一緒に考えていきましょう。

確実性の高い紹介活動と紹介が多い会社が意識していること

「紹介があるに越したことはない」。そのように思われるかも知れませんが、紹介は単なる+1だけにとどまりません。冒頭ご紹介した地域ビルダーでは、単に紹介からの案件が減ったという±0の状況ではなく、相次ぐクレームの対応に店長が時間を取られてしまい、自身の契約数の確保や店舗のマネジメントに時間を割くことができなくなったという大きなマイナスが発生してしまっていました。それだけクレームもなく好循環に紹介が発生しているのと、クレームが多発して当然、紹介が減ってしまうのとでは天国と地獄ほどの差があるのです。

基本的に紹介案件数は減ることはありません。なぜならその分母となる累積の完工棟数は減ることはなく毎年増えていくからです。ただ、家を建ててもらったOB客全員が紹介してくれるわけではありません。パレートの法則のとおり、ロイヤルカスタマーと呼ばれる上位2割のOB客が、紹介売上の8割を生み出してくれます。そのようなロイヤルカスタマーの条件は、満足度が高く、尚且つ顔が広く社交的であることです。いくら満足度が高くても、紹介する友達がいなかったり、性格的に内向的な方からなかなか紹介は発生しません。顔が広いというのは、最近ではご主人もしくは奥様が実はインフルエンサーで、特定のコミュニティにおいては抜群の発信力があるということもよくあることです。会社としては、施工品質は高く、そのあとのアフターサービスを徹底するのは当然として、ロイヤルカスタマーになり得るOB客を見極めるという意識も必要になってきます。

この紹介活動に関しては、定期点検などの業務的なつながりだけではなくOBコミュニティなどを活用して、効果的に業績につなげられている会社もあれば、建てたら建てっ放しでほぼまったく取り組んでいない会社もあります。マーケティングは不確実性が高いものが多いですが、OB客は毎年増えていくということだけでも、紹介活動が確実性の高いものだと認識していただけるかと思います。

住宅業界におけるクレームの実態と対処の仕方

公益財団法人の住宅リフォーム・紛争処理支援センターが2023年9月に発表した、2022年度の住宅相談と紛争処理の集計・分析をまとめた「住宅相談統計年報2023」によると、2022年度の新築一戸建ての着工戸数は397,556戸で、2021年度は429,942戸だったので前年比92.4%でした。新築等相談は23,529件で前年度と同水準でしたが、着工戸数は約8%減少していますので、相談件数の発生割合としては増加していることになります。リフォームも含めた同社ののべ応答件数の推移を見ていると、コロナの影響を受けた2020年度は一時期減少しましたが、それ以外はずっと右肩上がりで増え続けています。相談における相談者の年齢をみると、当然ながら新築等相談では30〜40歳代の割合が高く、リフォーム相談では50歳代の割合が最も高くなっています。

新築等相談の内訳を見ていくと、住宅のトラブルに関する相談のうち、雨漏りやひび割れなどの不具合が生じている相談は75.3%で、それ以外は24.7%でした。新築等相談のうち、不具合発生時の築後年数が判明している中で、築後年数が1年未満の相談は31.1%、1年以上2年未満は9.2%であり、2年以上3年未満は5.7%と大きく下がっています。まとめると築後3年未満までの合計が46.0%となり、築後3年未満までに不具合が発生した住宅の相談が半数近くとなっているということから、家の不具合が対象のクレームは1年以内が最も多いということでした。尚、築後10年未満までの合計は79.5%となっています。

クレーム発生割合の平均は約5%。年間100棟完工している会社で5件程度、年間50棟であれば2.5件程度です。このことからもわかるように、例えば5件のうち3件は家の不具合に対するクレームで、残りの2件はそれ以外のことに対するクレームということになります。そのような中、ある地域工務店では年間20棟完工したすべてでクレームが発生していました。

完工20棟すべてクレームだった工務店が取り組んだ14の施策

兵庫県の丹波地方を中心に公共事業などの大規模建築を軸とする事業活動を行っている吉住工務店は、ハウスメーカーでもない、住宅だけの工務店でもない、本当にお届けできる家づくりを考え、大規模木造建築を推奨している技術力と経験を家づくりに盛り込みながら、お客様に他にはない付加価値を提供できるようにと住宅事業を立ち上げました。住宅事業を立ち上げてから10年。自慢の技術力で完工棟数を20棟まで伸ばすことができました。

業績が伸びなくなるというのは、商品・集客・営業といったマーケティング的な要素以外に、クレームが影響していることもあります。クレームが発生すると対応に膨大な時間と労力を要します。それだけでなく、特に営業担当者が自社の商品に自信を持てなくなり売れなくなります。吉住工務店も大きな壁にぶつかることとなります。「思い描いていたマイホームと違う」というイメージとの不一致によるクレームに「営業さんに伝えたはずの造作棚が無い」という伝達と情報共有によるクレーム。「約束と違って遅すぎる」という工期に対するクレームと引き渡したお客様から次々とクレームの嵐が起こりました。

工務設計の仕組化は必須となります。しかし仕組み化といっても3300万円以上の完全注文住宅を提供しており、自慢の技術力が属人的となり、誰でも同じ業務を行えるようにするのは至難の業でした。そのような状況だからこそ外部のサポートを受けながら取り組んだ施策は主に14つ。(1)業務フローの見直し(2)仕様打合せシートの刷新(3)引き継ぎチェックリストの作成(4)図面同意書の作成(5)スケジュールツールの活用(6)完了会のフォーマット化(7)コーディネートブックの作成(8)現場パトロールの標準化(9)フライデーコールの実施(10)工程会議のフォーマット化(11)現場システムの再構築(12)現場写真アップのマニュアル化(13)現場掃除の基準書作成(14)業務マニュアルの作成。新たに取り組んだこともありますが、それよりも重視したのは標準化でした。それから1年が過ぎ、今では社内のミスはなくなり、お客様のクレームは1つも起こらなくなり、胸を張って引き渡しをすることができるようになったのです。

【ミスクレームを0に!】全物件でクレームが起きていた住宅会社がたった1年でクレーム0件へ改善した社内マニュアルの作り方

「思い描いていたマイホームと違う」「営業さんに伝えたはずの造作棚が無い」「遅すぎるし約束していた工期と違う」引き渡したお客さまから次々とクレームの嵐で謝罪に行く毎日クレームの原因といえばシンプルなもので「営業から工務への引継ぎができていない」「言った言わない問題で社内の雰囲気は最悪」「そもそも新人ばかりの施工体制に無理があった」など。そんな会社が業務改善に取り組んでどうなったのか?この実録はセミナーで公開しますので、ぜひ奮ってお申込みください。

<このような方にオススメです>
✓ 現場の有資格者実務経験者の採用にお困りの経営者様
✓ 未経験・新卒の工務担当をいち早く即戦力化したい経営者様
現場のミスやクレームを減らして利益を確保したい経営者様
かつて工務の省人化にチャレンジしてうまくいかなかった経営者様
新人でもベテランでも同じ品質の工事業務を実現したい経営者様

<本セミナーで学べる5つのポイント>
◆Point.01
工務人財の採用トレンドと今後の採用動向
◆Point.02
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◆Point.03
業務を標準化する実務マニュアルの作り方
◆Point.04
若い人財の育成をスピード化する動画育成のポイント
◆Point.05
工事業務を最適化するシステムツールの選び方と運用ポイント

<開催要項>
◆開催日時
・大阪会場:2023年11月28日(火)13:00~16:00(開場12:30~)
・東京会場:2023年12月 5日(火)13:00~16:00(開場12:30~)
◆開催会場
・大阪会場:船井総合研究所 大阪本社
      大阪市中央区北浜4−4−10 船井総研大阪本社ビル
・東京会場:船井総合研究所 五反田オフィス
      東京都品川区西五反田6−12−1
◆費用
・一般価格10,000円 (税込11,000円)/1名様
・会員価格8,000円 (税込8,800円)/1名様
※ご入金の際は、税込金額でのお振り込みをお願いいたします。
※会員価格は、各種経営研究会・経営フォーラム、および社長onlineプレミアムプラン(旧:FUNAIメンバーズPlus)へ、ご入会中のお客様のお申込に適用となります。詳しくは社長onlineをご確認ください。

<セミナー内容>
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