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住宅会社の成長ステージと社長の仕事とは?4つの売上のステージごとの壁を突破する方法

よく言われることですが、経営には「売上のステージ」と「売上の壁」が存在します。次の(成長)ステージにいくためにはその前にある壁(課題)を突破しなければなりません。これはRPGゲームと同じ感覚で、次のステージに行くにはボスを倒さなければならず、そのボスが売上の壁にあたります。またレベルが上がりゲーム終盤に進むに連れてボスも強くなります。そしてその企業の到達点(ゴール)に達する前にいるのがラスボスです。

住宅会社の場合だと「売上のステージ」と「売上の壁」の関係性は下記のようになります。
・売上3億円のステージに行くには、2.5億円の壁を突破すること
・売上5億円のステージに行くには、4.5億円の壁を突破すること
・売上10億円のステージに行くには、8億円の壁を突破すること
・売上20億円のステージに行くには、15億円の壁を突破すること

住宅会社経営のコンフォートゾーンと言われるのが、売上10億円のステージです。このステージにいる会社は、目下の課題は特になく困っていません。因みに、同じように困っていないのは、社長ひとりですべてができる売上2億円以下の会社です。このようにステージの手前に壁があり、挑戦するステージごとに壁を攻略する方法は変わります。そこで今回のコラムでは、それぞれの「売上のステージ」ごとの「売上の壁」を突破する方法について一緒に考えていきましょう。

なぜ企業は売上を上げなければならないのか?

冒頭でお伝えしました「売上のステージ」と「売上の壁」について、住宅業界は棟数で換算することが多いので、そちらに置き換えるとおおよそ下記のようになります。
・売上3億円は、12~15棟の完工棟数で社員数は6名程度
・売上5億円は、20~25棟の完工棟数で社員数は10名程度
・売上10億円は、40~50棟の完工棟数で社員数は20名程度
・売上20億円は、80~100棟の完工棟数で社員数は40名程度

これらの数字からもわかるように、売上が上がれば上がるほど、その地域において自社が建てた家の割合(シェア)が増えていきますので、認知度も含めすべてにおいて影響力が増します。そしてそれは同時に責任感が増すことを意味します。また、売上3億円の会社と売上20億円以上の会社ではどちらが地域の発展に寄与しているかと言えば、当然ながら後者です。納税額もそうですし、雇用を生み出しているという点でもそうです。社員数が増えることで、6名のときにはできなかったことが、40名の会社ではできることが多くなります。要は、6名で穴を掘るよりも40名で掘る方が大きな穴が掘れます。

お金の使い方も同じです。そうした棟数や売上、社員数などは目に見えるものですが、目に見えないものとしては、会社の売上が上がると優秀な社員も入社してきます。それは毎年、新卒採用を行っていると如実にわかります。仮に、売上を上げたいと思っていなくても、優秀な仲間と地域の発展のためや、これまで成し遂げれなかったことがしたいと思うのは、人間として普通のことだと思います。また不思議と、経営者が今抱えている悩みも売上が上がることで解消することも多いのです。

売上3億円と5億円のステージと壁の突破の方法

では、それぞれの「売上ステージ」の状況と「売上の壁」を突破するための方法についてお伝えしていきます。売上3億円のステージには売上2.5億円の壁があります。この規模の会社だとほとんどの業務を社長がやっていますので、仕組みは必要としません。なので特に今のままで問題はありません。売上の壁を突破するには、集客力アップ、商品力アップ、営業力アップです。この3つすべてを同時にアップできれば何も問題はありませんが、このステージの社長はとにかく忙しいので、それはほぼ不可能です。では何を優先順位付けして取り組むべきかに関しては、社長のルーツも影響します。社長が営業出身であれば、集客力→商品力→営業力の順ですし、設計や現場出身であれば、集客力→営業力→商品力です。

売上5億円のステージには売上4.5億円の壁があります。この規模の会社だと、それぞれの役割が明確になるものの、社長以外の社員の役職は特になくフラットな組織形態です。売上3億円のときは家族のような組織だったのが、大家族になるようなイメージです。このときの社員が所謂、創業メンバーと言われる人材で、これからの成長の支えとなりますが、ただまだ残念ながら、新卒や中途で優秀な社員は入ってこないので、経営者力が試されるステージです。経営者力とは、視座の高さと投資力の2つです。

視座を高めるには「〇年後にあの会社みたいになりたい!」という自社のモデルとなる企業を見つけられるかどうかの1点だけです。船井総研では経営研究会という経営者同士のコミュニティーを提供していますが、今では売上が20億円を超えている会社の社長が、売上5億円に満たないときに知り合った社長と今でも関係が続いている場合が多いのです。そして毎月コンスタントに見学会を行うためにモデルハウスなどのモノへの投資が不可欠となります。(コラム掲載不要→)売上10億円と20億円の状況と売上の壁の突破の方法は「続きはこちら」をクリック!執筆者プロフィールはコチラから

売上10億円と20億円のステージと壁の突破の方法

売上10億円のステージには売上8億円の壁があります。社長は戦闘(営業)を社員に任せ、戦術的な仕事もし始めますが一部の幹部が稼ぐ属人的な組織形態です。仕組みがあるようで精度が低いという状況です。集客が増えない今では1店舗で売上10億円を突破することは難しく、そうなれば2店舗の出店が必要となり、ヒトへの投資(主に採用)が不可欠となります。そうしないと社員数が増えていかず成長のチャンスを逃します。冒頭でもお伝えしましたが、このステージはコンフォートゾーンなので、いかに最速で突破できるかが重要です。経験則でお伝えすると、売上8億円から12億円までは約2年で突破できないと、売上10億円のステージにも達しないか、そのステージでずっと居続けることになります。そしてより社長の視座を社員に理解してもらうために、中期経営計画は必須になり、経営計画発表を毎年開催することをオススメします。

売上20億円のステージには売上15億円の壁があります。社長は戦略的な仕事を始め、幹部は徐々に現場を離れ始めます。この段階だと複数店舗を運営していますので、精度の高い仕組みを必要とします。売上の壁を突破するには、長期ビジョンと事業への投資です。所謂、PMVV(ミッション・ビジョン・バリュー・パーパス)が必要になります。状況としては(極端な話ですが)毎日のように社員が辞めていきます。離職率が30%近くなることも珍しくありません。

離職の解決策は2つで、ひとつは売上の壁を突破することです。売上10億円のステージはコンフォートゾーンなので、これは社長のみながらず社員も一緒です。いつまで経っても成長しないぶら下がり社員が出てきたりします。厳しいい言い方をしますがそうした社員を振り切るかのように、企業として成長しなければならないのです。離職というより組織の脱皮時期です。そのための事業への投資です。もうひとつはPMVVの設定です。勿論、ここに来るまでにも必要ですが、PMVVがないとこれ以上は業績が伸びなくなります。それが長期ビジョンにもつながるのです。まだまだ売上20億円のステージはゴールではありません。地域一番店に挑戦する挑戦権を得たようなものです。売上50億円のステージについては、またの機会にお伝えさせていただきます。

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